先日の記事でも伝えたとおり、
112年ぶりにオリンピックの舞台に戻ってきたゴルフは、
男子がイギリスのジャスティン・ローズ、
女子が韓国の朴仁妃の優勝で幕を閉じた。

では、このオリンピックでの優勝、
世界ランキングにはどれくらい影響するのか。

4年に1回しか開催されないオリンピックの価値を考えると、
かなりの高ポイントを予想する方もいるかもしれない。

しかし、その実、
その扱いはかなり低い。

他の大会と比べると、
その扱いがいかに低いかがよくわかる。

例えば、「全英リコー女子オープン」は、
優勝者に98.15ポイントという高いポイントを与えている。

また、「全米女子オープン」も同じく、
97.84ポイントという高いポイントが設定されている。

しかし、オリンピックで振り分けられるポイントは、
わずか「25.54」ポイント。

オリンピックの希少性を考えると、
あまりにも低い印象を受ける。

そのため、オリンピックで好成績を収めた選手の
順位の変動を見ると、わずかしか影響がないのがわかる。

優勝した朴仁妃は、5位から4位へと、
順位が1つしか変わっていないし、
五輪では4位に入った日本の野村敏京も
22位から21位と、1つしか順位が変わっていない。

そして、途中棄権したタイのアリヤ・ジュタヌガンは、
順位変わらず2位のままだ。

今回の五輪では、
世界ランク1位のジェイソン・デイを筆頭に、
2位のダスティン・ジョンソン、3位のジョーダン・スピース、
4位のロリー・マキロイまで、
世界のトッププロの出場辞退が相次いだ。

また、日本の“エース”と期待されていた
松山英樹も出場辞退している。

彼らの辞退理由は、ブラジルで蚊を媒介とする
ジカ熱が流行していること、
そして、治安の悪さということだが、
本音ではどうなのだろうか?

これだけ世界のトップ選手の辞退が相次ぐと、
あまり考えたくないが、
前述した五輪のポイントの低さも
理由としてはあるのではないかと勘ぐりたくなる。

つまり、五輪に出場したとしても、
あまり“うまみ”がないという
計算があったのではないかと・・・

ただ、彼ら世界のトッププロには、
世界ランクを争う他に、
もう一つ忘れてはいけない使命がある。

それは、ゴルフの普及だ。

日本では、ゴルフは凋落傾向にあるが、
世界的に見ても、中国やインドを除いて、
現在は、ゴルフ熱が高いとはいえない。

世界的にゴルフ人口を増やしていくためにも、
こういったスーパースターが激しい優勝争いを繰り広げたり、
トッププレイヤーだからこそできるスーパープレイこそ、
その裾野を増やしていくためには必要なのではないだろうか。

そういった意味では、
普段はそのスポーツを視聴しない層にも
目にしてもらえる機会が増やせる五輪といった機会を
活かせなかったのは残念に他ならない。

やはり、112年ぶりの復活となったばかりということもあり、
現状としては、まだゴルフにおいての
オリンピックの重要性は低いのが現状だ。

ただ、リオ五輪で7位に終わったレクシー・トンプソンは、
このような話をしている。

「五輪競技者としてあのティに立つ。ほかの何ものにも代えられないこと」

4年に一度、世界中の注目を浴びるなかで
国を代表して戦う。

やはり、あの場に立った者には、
あの場でしか味わえない感動があるのだろう。

さらに、トンプソンは、
このようにも語っている。

「個人的には、オリンピックはどのメジャーよりも上にあると思う。
メジャーは年間5試合あるけど、オリンピックは4年に一度だけ。
しかも、ゴルフが五輪競技になるのは、
1904年以来のことだし金メダルとでは比較できない」

ぜひ、今回出場を辞退したトップ選手には、
このトンプソンの言葉の真意を理解してほしいところだ。

そして、次回2020年の東京五輪では、
本当の意味で、世界のトップの選手が
世界一をかけて戦う姿が見れることを期待する。